賃貸契約でもらった書類は、中身がよく分からなくても、まとめて残しておいてください。更新、設備の故障、保険の連絡、退去のときに必要になります。
「分厚い封筒を渡されたけど、どれが大事なのか分かりません」
最初は分からなくて当然です。今すぐ全部読む必要はありません。まずは捨てずに、一つのファイルやケースへまとめる。それだけで十分です。
この記事では、初めて部屋を借りる人向けに、残しておきたい書類と簡単な保管方法を説明します。
最初にやることは「一式を同じ場所に入れる」
契約が終わって家に帰ったら、もらった書類を全部同じ場所に入れましょう。
細かく分類しなくても大丈夫です。A4サイズの書類が入るファイル、封筒、ふた付きケースのどれかを一つ用意してください。
表に、次の3つを書いておきます。
- 物件名と部屋番号
- 契約した年月
- 「賃貸契約・退去まで保管」
これなら、引き出しを探し回らなくて済みます。
「あとで整理しよう」
その“あとで”は、だいたい来ません。きれいに整理するより、なくさないことを優先しましょう。
賃貸契約書は何に使う?
「賃貸借契約書」と書かれた書類は、大家さんと入居者が約束した内容をまとめたものです。
家賃だけでなく、次のようなことを確認できます。
- 契約期間と更新日
- 更新時にかかる費用
- 退去を何日前までに伝えるか
- ペットや楽器などのルール
- 設備が壊れたときの連絡方法
- 退去時に負担する可能性がある費用
国土交通省も、契約書には敷金の精算や退去手続きに必要な内容が書かれているため、退去手続きが終わるまで大切に保存するよう案内しています。
契約書のどこを見ればよいかは、賃貸契約書で最低限確認したい7項目で順番に説明しています。
重要事項説明書は何の書類?
「重要事項説明書」は、契約する前に聞いた物件の大事な説明をまとめた書類です。
名前は難しいですが、簡単にいうと「この部屋を借りる前に知っておくこと」が書かれています。
契約書と似た内容もありますが、同じ書類ではありません。どちらか一方だけ残すのではなく、両方とも保管してください。
特約の紙を契約書から離さない
特約とは、その部屋だけに追加されたルールです。
たとえば、退去時のクリーニング費用や、短い期間で退去した場合の費用などが書かれていることがあります。
「契約書の後ろに付いていた紙、別の場所に置いてもいい?」
おすすめしません。契約書とセットで見ないと意味が分かりにくいため、同じファイルに入れてください。「別紙」「特約事項」「覚書」など、名前が違う場合もあります。
保険の書類も一緒に保管する
賃貸契約のときに、火災保険などへ加入することがあります。
火事だけの保険とは限りません。水漏れや家財の損害など、何が対象になるかは契約した保険によって違います。
保険関係では、次のものを残します。
- 保険会社名が分かる書類
- 保険の契約内容が書かれた証券や案内
- 証券番号・契約番号が分かるもの
- 事故が起きたときの連絡先
- 保険期間と更新方法が分かるもの
紙の証券がなく、メールやWeb画面だけの場合もあります。その場合は、メールを削除せず、保険会社名とログイン先が分かるようにしておきましょう。
「水漏れした。管理会社と保険会社、どっちに電話するの?」
まず人命や被害の拡大を防ぐ行動が最優先です。そのうえで、管理会社・大家さんと保険会社へ連絡します。事故の内容によって連絡先や順番が違うことがあるため、入居した時点で両方の電話番号をスマホへ登録しておくと安心です。
保証会社の書類は、賃貸契約書とは別物
家賃保証会社を利用している場合は、「保証委託契約書」などの書類があります。
これは、部屋そのものの契約書とは別の契約です。
- 保証会社の名前
- 契約番号
- 更新料の有無と時期
- 口座や住所を変更したときの連絡先
このあたりを確認できるよう、賃貸契約書と同じケースに入れておきましょう。
初期費用の明細と領収書も残す
契約時に支払ったお金の明細も保管します。
- 敷金
- 礼金
- 仲介手数料
- 前払いした家賃
- 保証会社や保険の費用
- 鍵交換などの費用
何にいくら支払ったかが分かる書類は、後から請求内容を確認するときに役立ちます。銀行振込やクレジットカードで支払った場合も、明細やメールを消さないようにしてください。
鍵を受け取ったときの書類も捨てない
鍵を受け取るときに、受領書へ署名する場合があります。
受領書には、鍵を何本受け取ったか、鍵の種類、受取日などが書かれていることがあります。退去時には、受け取った鍵を返す必要があります。
鍵の書類がある場合は、契約書と一緒に保管してください。鍵そのものは、すべて同じキーホルダーへ付ける必要はありません。予備の鍵は安全な場所に分けて保管し、その場所を忘れないようにします。
「鍵を1本なくしたかもしれない」
勝手に合鍵を作って終わりにせず、まず管理会社や大家さんへ連絡してください。必要な対応や費用は、鍵の種類や契約内容によって異なります。
鍵の返却方法、紛失時の連絡、鍵交換費用については、それぞれ別の記事で詳しく説明します。
入居時の部屋の写真と確認表も残す
入居したときに、傷や汚れを記録する確認表を渡される場合があります。
提出したら終わりではありません。自分の控えを残してください。
スマホで撮った写真も、退去まで消さずに保存します。撮影日が分かる状態で、部屋ごとに分けておくと見返しやすくなります。
- 床や壁の傷
- 水回りの汚れや破損
- 設備の不具合
- ドアや窓の傷
写真は契約書の代わりにはなりません。契約書、確認表、写真をそれぞれ残しておきます。
管理会社の連絡先が書かれた案内も必要
入居者向けの案内や、24時間サポートの連絡先が書かれた紙も残してください。
設備の故障、水漏れ、鍵のトラブルなどが起きたとき、連絡先を探すために必要です。
書類を保管するだけでなく、次の連絡先はスマホにも登録しておくと便利です。
- 管理会社または大家さん
- 保険会社の事故受付
- 保証会社
- 緊急サポート
更新時にもらった書類はどうする?
更新時に新しい契約書、覚書、費用の明細などを受け取ったら、古い書類をすぐ捨てないでください。
新しい書類には「更新」、古い書類には「最初の契約」とメモして、同じケースに入れます。
条件が変わった場合に、いつから何が変わったのか確認しやすくなります。
紙とスマホ、どちらで保管する?
おすすめは、原本をまとめて保管し、スマホにも控えを残す方法です。
紙の保管
- A4ファイルやケースへ一式をまとめる
- 水にぬれにくい場所へ置く
- 引っ越し荷物へ入れるときは、どの箱か分かるようにする
スマホやクラウドの保管
- 書類を1ページずつ撮影またはPDF化する
- 物件名が分かるフォルダ名にする
- 保険や管理会社から届いたメールも同じ名前で整理する
- 第三者に共有しない
契約書には氏名、住所、連絡先などが載っています。SNSへ写真を載せたり、誰でも開ける場所へ保存したりしないでください。
書類をなくしたらどうする?
「探したけど、契約書が見つかりません」
まず管理会社や大家さんへ連絡し、契約内容を確認する方法や、写しを受け取れるか聞いてください。
すべての書類を同じ会社が持っているとは限りません。
- 賃貸借契約書・特約:管理会社、大家さん、契約した不動産会社
- 保険の書類:加入した保険会社や代理店
- 保証会社の書類:保証会社
- 支払いの記録:銀行、カード会社、受け取ったメール
「書類がないから何も確認できない」と諦めず、書類ごとに契約先へ聞きましょう。
賃貸の書類はいつまで保管する?
少なくとも、入居中から退去手続きと精算が終わるまでは保管してください。
国土交通省も、契約書は敷金の精算などに必要になるため、退去手続きが完了するまで保存するよう案内しています。
退去後も、敷金や原状回復費用の確認が残っているなら捨てないでください。保険や保証の書類は、それぞれの契約や手続きが終わるまで保管します。
まとめ:理解できなくても、まず一式を残す
賃貸契約の書類は、契約した日よりも、数か月後や数年後に必要になることがあります。
最低限、次のものを同じ場所にまとめてください。
- 賃貸借契約書
- 重要事項説明書
- 特約・別紙・覚書
- 保険の書類
- 保証会社の書類
- 初期費用の明細・領収書
- 鍵の受領書
- 入居時の確認表と写真
- 管理会社などの連絡先
- 更新時にもらった書類
全部の意味を今すぐ理解しなくても大丈夫です。必要なときに見つけられる状態にしておく。それが最初の答えです。
引っ越しを考え始めたら、契約書の「解約」欄を開きます。確認する場所は、賃貸の解約予告は1か月前?2か月前?で案内しています。
